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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」は生活の中で利用できる(食べられる)水生動物をすべて掲載することを目指して運営されている魚貝類図鑑サイトです。
同 WEB サイトを運営している藤原氏は、WEB コンテンツだけではなく、「美味しいマイナー魚介図鑑」「からだにおいしい魚の便利帳」なども出版されています。
AdSense サービス提供開始日である 6 月 18 日の 13 回目の AdSense 記念日企画として、今回は藤原氏に、AdSense の収益最適化の具体的な例、どのようにコンテンツを作成されているのかなど、インタビューをさせていただきました。
ー「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」についてご紹介いただけますか?
藤原氏:
子供の頃から野山、川の生き物が大好きな子供でした。特に川の生き物への興味が強くなるのと同時に、料理にも興味の対象が広がり、山や川に行っては生き物を採取、種名を調べたり、大人に食べ方を教わったりするようになりました。
当然、子供のときの愛読書は図鑑。家にいるときはずーっと図鑑を眺めているようになりました。その内に、当時出版されていた図鑑には生き物の絵や写真、生態などは載っているが、食べ方や人との関わりに触れた物はまったくないことに気づき、自分用の図鑑を作り始めました。
日本を中心とした水産生物を撮影、生物図鑑としての基本形を作り、食文化に関する書籍などの情報なども調べて掲載しています。種によっては世界各地の情報も差し挟んでいます。
このサイトを通じて、より多くの方々に水生動物のことを知ってもらうことで、利用されることなく捨てられる水産漁獲物を減らし、ひいては自然保護に役立つことができればと考えています。
ー他では見ることのできないユニークな情報がたくさん掲載されていますが、どのようにコンテンツを作成されていらっしゃるのでしょうか?
藤原氏:
主に水産生物と人との関わりを調べているので、私のフィールドは日本全国津々浦々。特に中心となるのは流通の世界、漁業です。
特に東京中央卸売市場( 2016 年 10 月までは築地市場)には日本だけではなく世界中から水産生物がやってきます。これを記録し、ときに買い求め、撮影、料理して食物として評価、データベース化しております。
また、日本各地を旅し、市場を見たり、漁にも同行して食文化を探り、水産生物を手に入れたりしています。自分が実際に訪ねるだけではなく、日本各地から膨大な水産生物、水産物を使った料理などが送られてもきます。これもすべて撮影して、記録しています。
藤原氏は、以下の書籍を始めとした複数の書籍を出版されています。
代表作「美味しいマイナー魚介図鑑」:深海魚もはじめ、沿岸の魚や貝類、甲殻類も集めた、読んで楽しいマイナー魚介図鑑。本書に紹介されている魚介は約 600 種。
「からだにおいしい魚の便利帳」:「日本さかな検定(愛称ととけん)」の公式ガイドブックとなっています。
ー AdSense 導入の経緯をお伺いできますでしょうか?
藤原氏:
出版事業とは別に、WEB 事業にて独立した採算性を持たせたい、これが導入のきっかけですね。
以前は、システム管理を知人にもご協力いただきながらなんとか運営していましたが、サイトの規模が大きくなるにつれ、そのような形態では運営が難しくなってきました。サーバー費用の増大もありましたが、サイトを維持するだけではなく、改善していく為には運用費が必要だと判断しました。
ー広告の配置場所やサイズなどに関しましては、どのように最適化されたのでしょうか?
藤原氏:
配置場所とサイズに関しては、考えるよりも実際に比較してみる、ですね。
収益化は必要ですが、UX(ユーザー体験)を重要視しているサイトなので、広告を配置することによってサイト閲覧者様がコンテンツを読みにくい、ということにならないように、A/B テストをしながら、このサイトにとって最適な広告配置を定期的に確認しています。配置場所ごとに細かく広告ユニットを分けておくことで、簡単に収益性などの比較ができるようにしています。
A/B テストの結果、最終的にはベーシックな形に落ち着いていて、 PC 版画面では記事上にビッグバナー(728x90)、記事下にレクタングル広告(336x280/300x250)、サイドバーにワイド スカイスクレイパー(160×600)を配置し、モバイル画面ではヘッダー下にモバイルバナー(大)(320×100)、記事中と記事下にレクタングル広告を配置しています。いずれの場合も最下部に関連コンテンツを配置するというのが現状の基本的な配置です。
藤原氏:
関連コンテンツ機能を活用しています。
サイト内の関連コンテンツを記事ページの下部に表示させることによって、関心を持つコンテンツを見つけやすくなりました。結果として、サイト閲覧者様のサイトの滞在時間が伸びてきています。
また、リンク ユニットも有効に活用しています。
リンク ユニットには、サイトのコンテンツに関連するトピックの一覧が表示され、サイト閲覧者様がこれらのトピックをクリックすると、そのトピックと関連した Google 広告のページが表示されます。
例えば、「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」では、「魚料理写真」「魚旬一覧」「釣り魚」などのサイトに関連したトピックが表示されているので、サイト閲覧者様にも興味をもっていただけると考えています。
ーモバイルサイトを作成された経緯をお伺いできますでしょうか?
藤原氏:
例えば、飲食店でその魚に出会ったとき、釣りのとき、グルメな友人との会話中など、PC がすぐに使えない状況であっても、気軽に魚貝類について調べられるようにしたいという思いは以前からありました。しかしスマホ普及以前は、その表現力の弱さから対応を見送っていました。
スマホの普及により表現の幅が広がった現在では、モバイルサイト作成の決断に至るのは極めて自然なことでした。
ーモバイル最適化については、どのようにご対応されたのでしょうか?
藤原氏:
「市場魚貝類図鑑」はメインサイトとは別に、「寿司図鑑」や「お魚三昧日記」等の複数のサイトがあり、相互に密接に関係しています。しかし、すべてのサイトに対してモバイル最適化を検討すると、膨大な時間がかかってしまうため、最もトラフィックが多いメインサイトに注力して実装しました。
メインサイトは元々すべてのコンテンツが静的ページでした。2000 ページを超える PC サイトを、モバイルサイトとして新たに作成する選択肢はありませんでした。モバイル対応の為に全体を動的ページに作り替える必要があり、それは決して楽なものではありませんでした。
システム変更とともに古いコンテンツの修正なども行う必要がありましたので、いまだにこの作業は完全には終わっていません。
まだ改善の余地はありますが、モバイル最適化以前から比較すると、結果としてモバイルからのアクセスが約30%増加し、 50% を超えるユーザー様がスマートフォンからこのサイトを閲覧していただいております。
クリック率に関しましては、約 60% のユーザー様がスマートフォンから広告をクリックしているようです。
ー「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」サイトにて、今後取り組みたいと考えている課題についてお伺いできますでしょうか?
藤原氏:
今後の課題は 3 点あります。
まず 1 点目は、ブログ系コンテンツのモバイル最適化です。
「お魚三昧日記」や「うまいもん日記」などのコンテンツは古いプラットフォーム上で動いておりますので、新しいシステムに移行させる予定です。
2 点目は各ページのコンテンツ量にあわせて、広告配置などを変える仕組みを作ることです。
「市場魚貝類図鑑」の各魚貝類ページではメイン記事の文字数が数十~数万とかなり開きがありますが、現状ではすべて同じレイアウトで出力しています。文字数の多いページと少ないページでの広告を含むコンテンツ配置を変えることにより、ユーザビリティと収益性、両方の向上を図りたいと考えています。
3 点目は DoubleClick for Publishers (DFP)を活用し、純広告も表示させることです。
純広告については今までは人的コストへの負荷等を考えてお断りしてきましたが、最近お問い合わせが増えてきているので DoubleClick for Publishers を利用して、AdSense 広告と純広告をバランスよく表示させていきたいと考えています。
ー AdSense をご利用いただいている方、または現在 AdSense 導入をご検討いただいている方に向けて、メッセージをお願いします!
藤原氏:
実を言うと当初は、広告掲載に対してユーザビリティを損なうのではないかとネガティブなイメージを持っていました。しかし私たちの場合は、広告収益を得ることによって、運営費を確保でき、UX(ユーザー体験)向上のための様々な施策を打つことが可能となり、不安とは逆の結果をもたらしてくれました。
また AdSense では、掲載される広告の種類も、ページコンテンツやユーザーにマッチした広告を表示してくれますので、ユーザー様にとって、広告が有用な情報となることも多いと考えています。
AdSense はとても簡単に運用を始めることができますし、最初からいろいろと難しいことを考えなくても推奨されている通りに運用を始めれば、結果を出してくれると思います。ぜひ有効に活用されてはいかがでしょうか?
ー本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました!
AdSense をご利用いただき、これからも「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」のサイト向上に役立てていただければと思います。
藤原 昌高 氏 | ぼうずコンニャク株式会社 代表取締役
徳島県生まれ。子供の頃から川の生き物に親しみ、水産生物のことを調べ始める。その後、人間と関わりのある食品(生物)を調べ始めて 30 年を超える。「市場魚貝類図鑑」運営する他、水産に関わる本を執筆。過去に島根県水産アドバイザー、水産庁の外部専門家などを務める。
Posted by 大賀 はるか - 最適化スペシャリスト