モバイル アプリケーションからどのように収益をあげるか。モバイルアプリケーションの開発者様またウェブ開発担当者様向けにとって、最も重要な課題の一つです。Google では、その解決策の一つとしてモバイル アプリケーションに広告を配信する
AdMob を提供しています。
これから数回にわたって、モバイル アプリケーションのビジネスモデルをどのように構築するか、Admob をどのように利用できるかを事例を交えご紹介していきます。
今回は、この AdMob を利用し、収益化に成功したモバイル アプリケーション「Angry Birds」を開発した Rovio Mobile 社の事例から、同社がどのように今のビジネスモデルを選択したかを Peter Vesterbacka 氏に伺いました。
有料ダウンロード版からのスタート
iOS 版の Angry Birds は有料ダウンロードとして提供を始めました。料金モデルをシンプルにするため、有料ダウンロードの価格は 0.99 ドルに設定しました。ゲームのグラフィックやコンテンツには自信があったので、この価格だと多くのユーザーにお得感を与えられるだろうと考えたのです。
ダウンロード数以外の数値にも着目
当初はパフォーマンスの指標としてダウンロード数を重視していましたが、早い時期からゲームの利用度を上げることにも重点を置き、アップデートのたびに、新たなエピソードやレベル、コンテンツをリリースしてゲームを作り込みました。また、ユーザーが自分のスコアをトラッキングして、ベスト スコアの更新もできるようにもしました。こうした工夫により、現在までの Angry Birds の総プレイ時間は 1 億分を超えました。
新たなプラットフォームへの展開
Angry Birds が Apple iOS プラットフォームで成功を収めたことから、あらゆるプラットフォームの携帯電話で Angry Birds をプレイできるように、Nokia 携帯端末、webOS、iPad、Android などの他のオペレーティング システム向けのゲーム開発に着手しました。Android 版の作成には手間がかからなかったため、Android 端末の急速な拡大に合わせて、ベストなタイミングで Angry Birds ブランドの拡大を図ることができました。
広告収益ビジネスモデル
モバイルで収益を上げる方法はいくつもあり、プラットフォームに限定されず、さまざまなビジネス モデルから選ぶことができます。Android については、Google と連携して広告を活用したビジネス モデルを採用することにしました。既にブランドの認知度は確立できていたため、アプリを無料で提供することに抵抗はありませんでした。
モバイル アプリケーションの難しさとメリット
ゲームのアップデートは複数のプラットフォームで同時に行う必要があることを学びました。これにはかなりの労力とプランニングが必要になりますが、ユーザーの利便性を高めるには重要なことです。今やモバイルはゲーム業界の中核を担う最先端のプラットフォームですが、展開が非常に速いため、間違いから学んで再チャレンジすることができます。
今後の展開
現在は、ゲームの中でアイテムを販売するような新たな収益獲得の方法を検討しているところです。たとえば、ゲームのあらゆるレベルをクリアしてくれる「Mighty Eagle」を購入できるようにし、他の製品開発を手掛ける代わりに、この Mighty Eagle をゲームの中核に据えて販売を促進したいと考えています。すでに半数近くのユーザーが Mighty Eagle を購入しています。
今回ご紹介した内容は Rovio Mobile 社の事例の一部となります。全文は Google のアプリ収益化ガイド「
App Galaxy」でご覧いただけます。
また、その他にも有料アプリケーションだけのビジネス モデルから無料アプリケーションとの併用に切り替えることで持続的な収益を得、最終的には無料版の収益性が有料版を上回るまでになった Ant Smasher の事例もご紹介しています。
App Galaxy では、アプリ開発者、または開発担当者様のために、アプリのマーケティング、収益化、パフォーマンスのトラッキング、現在の方向性の評価の基本をツアー形式でご案内しています。ぜひ一度ご覧ください。